共有持分の売却にかかる税金と確定申告

公開日:2026年2月28日

共有持分を売却すると、利益が出た場合には税金がかかります。「いくら税金がかかるのか」「確定申告は必要なのか」と不安に思う方は多いでしょう。この記事では、共有持分の売却にかかる税金の種類・計算方法・確定申告の手順をわかりやすく解説します。特別控除の活用法も紹介しますので、売却を検討中の方はぜひ参考にしてください。

共有持分の売却で発生する税金の種類

共有持分を売却して利益(譲渡所得)が発生した場合、以下の税金が課税されます。

譲渡所得税と住民税

共有持分の売却益に対しては、所得税(復興特別所得税を含む)と住民税が課税されます。税率は不動産の所有期間によって異なります。

  • 短期譲渡所得(所有期間5年以下):所得税30.63% + 住民税9% = 合計約39.63%
  • 長期譲渡所得(所有期間5年超):所得税15.315% + 住民税5% = 合計約20.315%

所有期間は、売却した年の1月1日時点で判定されます。相続で取得した共有持分の場合、被相続人(亡くなった方)の取得日を引き継げるため、長期譲渡所得に該当するケースがほとんどです。

印紙税

売買契約書に貼付する印紙税も必要です。売買価格に応じて金額が異なり、たとえば1,000万円超〜5,000万円以下なら1万円(軽減税率適用時)です。買取業者に売却する場合、契約書は業者側が用意することが多いため、事前に確認しておきましょう。

譲渡所得の計算方法

税金を正確に把握するには、譲渡所得の計算が必要です。計算式は以下のとおりです。

譲渡所得 = 売却価格 −(取得費 + 譲渡費用)− 特別控除

取得費の求め方

取得費とは、不動産を購入した際の代金や仲介手数料などの合計です。共有持分の場合は、不動産全体の取得費に持分割合を掛けて算出します。

購入時の契約書が見つからない場合は、売却価格の5%を概算取得費として使えます。ただし、実際の取得費のほうが高い場合は税額が大きくなるため、できるだけ当時の書類を探しましょう。

譲渡費用に含まれるもの

譲渡費用には、売却時にかかった仲介手数料・測量費・印紙税・建物の解体費用などが含まれます。買取業者への売却では仲介手数料が不要なため、譲渡費用は抑えられる傾向にあります。

3,000万円特別控除は使えるか

マイホームを売却した場合、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる「居住用財産の3,000万円特別控除」があります。共有持分の場合、以下の条件を満たせば各共有者がそれぞれ3,000万円の控除を受けられます。

  • 売却する共有持分が自己の居住用であること
  • 住まなくなった日から3年後の12月31日までに売却すること
  • 売却先が親族や特別関係者でないこと
  • 前年・前々年にこの特例を受けていないこと

ただし、買取業者への売却でも条件を満たせば適用可能です。投資目的で保有している共有持分の場合はこの特例は使えないため注意してください。

確定申告の手順と必要書類

共有持分を売却して譲渡所得が発生した場合、売却翌年の2月16日〜3月15日に確定申告が必要です。赤字(譲渡損失)の場合でも、特例を適用するなら申告が必要です。

必要書類一覧

  • 確定申告書B・第三表(分離課税用)
  • 譲渡所得の内訳書
  • 売買契約書のコピー(売却時・取得時)
  • 登記事項証明書
  • 仲介手数料の領収書
  • 本人確認書類

申告の流れ

①必要書類を集める → ②譲渡所得を計算する → ③国税庁の「確定申告書等作成コーナー」または税務署で申告書を作成 → ④税務署に提出(e-Tax・郵送・持参)→ ⑤納税(所得税は3月15日まで、住民税は6月以降に通知)

計算に自信がない場合は、税理士に依頼するのが確実です。費用は5〜15万円程度が相場ですが、申告ミスによるペナルティを避けられるメリットがあります。

共有持分の売却で税金を抑えるコツ

  • 取得費の証拠書類を探す — 概算取得費(5%)より実額のほうが高ければ節税になる
  • 所有期間5年超で売却する — 税率が約半分になる
  • 特別控除を最大限活用する — 居住用なら3,000万円控除を忘れずに
  • 複数業者の査定で高く売る — 売却価格が上がれば手取りも増える

まとめ

共有持分の売却では、譲渡所得税・住民税・印紙税が主な税金です。長期譲渡所得であれば税率は約20%に抑えられ、居住用であれば3,000万円特別控除も活用できます。確定申告は翌年の確定申告期間に忘れずに行いましょう。まずは複数の買取業者に査定を依頼し、最も有利な条件で売却することが手取り額を最大化する第一歩です。

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